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2019年9月19日木曜日

ヤスデの生殖肢の観察と同定 2/3

 前回、ヤスデの生殖肢の取り外しについて話しました。今回はその続きになります。


前回の話をまとめると、
・特徴的な種を除き、基本的には成体の雄しか同定できない。
・多くのヤスデの成体の雄には第7胴節付近に生殖のために特殊化した付属肢である。
・生殖肢の取り外しには70~80 % エタノールの液浸標本を用いる。
・胴節は壊しても良いので、生殖肢が壊れないことを優先する。

さて、前回のヤスデは第7胴節に2対ある付属肢のうち前方の1対のみが生殖肢となっていました。他にも第7胴節の2対が生殖肢になっているものや、第7胴節の後方の1対と第8胴節の前方の1対が生殖肢になっているものなどがいます。今回は第7胴節の2対が生殖肢になっている例を紹介します。


 今回生殖肢を取り外すのはこのヤスデです。クロヒメヤスデ Karteroiulus niger です。青森県で採集してきましたが、国内では本州、四国、九州の各地から幅広くみつかっている種類です。



 液浸にして持って帰ってきました。第7胴節に脚の無いスペースがあることから雄であることがわかります。赤く塗りつぶしてある箇所が生殖肢です。



 本当は第7胴節のみ取り外したかったのですが、他の胴節も外れてしまいました。生殖肢の取り外しに支障はありません。



 第7胴節です。左が頭部側、右が尾部側です。生殖肢を抱え込むように胴節があります。生殖肢を頭部側、あるいは尾部側から押すと上手く外れます。



 前生殖肢と後生殖肢がくっついている状態なので慎重にはがします。前生殖肢の尾部側(つまり、後生殖肢と接している側)には端肢とよばれる糸状の構造がある場合があり、これが外れないように気をつけます。クロヒメヤスデには端肢が無いので簡単です。



 上手く取り外すことが出来ました。左が後生殖肢、右が前生殖肢です。



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