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2019年8月23日金曜日

ヤスデ類の文献集め

 ヤスデってよくわからない、なんてよく言われますが、ネットにきちんとした情報が少ないのでそれも当然のことかと思います。逆に自分詳しいよ!という方はぜひ語り合いましょ。待ってます。



 さて、筆者は1年ほど前からヤスデの文献を集めてきました。オンラインのものだけでもまだまだ終わりは見えないのですが、収集手段と重要な文献について軽くまとめておこうと思います。ヤスデ以外の分野でも使える部分は多いはず!日本産ヤスデ類の画像はこちら、高次分類のリストに関してはこちらをご覧ください。


 内容は2019年08月23日の執筆時点での情報です。








主な入手場所


Google Scholar: まずはここで検索。


CiNii Articles - 日本の論文をさがす: 学術論文が対象。


CiNii Books - 大学図書館の本をさがす: 図書や雑誌が対象。


CiNii Dissertations - 日本の博士論文をさがす: 博士論文が対象。


J-STAGE: 電子ジャーナルを入手できる。


J-GLOBAL: ヤスデで検索するとわりと引っかかる文献が多いです。


国立国会図書館デジタル: 国立国会図書館がデジタル化した資料を閲覧可能。


Biodiversity Heritage Library: 生物多様性遺産図書館。古い文献はここから探します。ADVANCED SEARCHを使うといいです。Search Insideがとても便利で、ダウンロードして閲覧するよりBHL内で閲覧した方が楽です。


ResearchGate: 研究者用SNS。著者名で探すことが多いです。公開されていない場合は著者にリクエストを送ります。


各研究機関リポジトリ: 北海道大学のHUSCUP、筑波大学のつくばリポジトリ(Tulips-R)横浜国立大学学術情報リポジトリ京都大学学術情報リポジトリ鳥取大学研究成果リポジトリ琉球大学学術リポジトリ沖縄地域学リポジトリ:ORIONなどなど、、、
 リポジトリの数のわりにヤスデの文献は少ないです。その他のリポジトリは学術機関リポジトリ構築連携支援事業の機関リポジトリ一覧をご覧ください。一括で検索できると楽なんですけど、そのような仕組みは無いのでしょうか?


図書館: CiNii Booksで雑誌名を検索するとどの図書館に何巻(何号)が所蔵しているかを確認できます。近くの図書館に所蔵していない場合は取り寄せることもできます。


博物館or博物館類似施設など: 頼めばコピーを取っていただける場合があります。図書館等で入手できない場合は発行元の施設に問い合わせてみるのもいいでしょう。









どのような文献があるのかを調べる


国立国会図書館サーチ: 主に国内の文献が対象です。


MilliBase: 世界のヤスデがどの文献の何ページに記載されているのか確認することができます。日本のヤスデに関しては若干情報が古かったり情報が無かったりすることもありますが、めちゃくちゃ有能です。


MyriaLit: CIM - Centre International de Myriapodologie (国際多足類学会)によるデータベースです。主に著者名と発行年で検索して使っています。


 ヤスデ以外の分類群にも似たようなものはあると思います。








重要な文献・書籍


田辺 力 (2001) 多足類読本:ムカデとヤスデの生物学. 東海大学出版会. ISBN978-4486015444
 多足類学への入りとして読みやすいです。学術的なことは主に後半に書いてあります。


石川 良輔 (2008) バイオディバーシティ・シリーズ6 節足動物の多様性と系統. 裳華房. ISBN978-4-7853-5829-7
 多足類とは?ヤスデとは?という疑問に答えてくれます。多足類読本と共に最初に読むべき本。


内田 亨 (1966) 動物系統分類学 7 中B. 中山書店. ISBN978-4-521-07121-3
 ちと古いけどこれも始めの方に読むべきです。多足類研究の歴史については上記2冊より詳しいです。


Minelli, A. (ed.) (2011) The Myriapoda. Volume 2. Treatise on Zoology - Anatomy, Taxonomy, Biology. Brill, Leiden and Boston, 482 pp. ISBN978-90-04-18827-3
 ヤスデの教科書。ヤスデ一般について広く書いてあります。情けないことに英語が苦手な筆者はまだあまり読めていません。


篠原 圭三郎・田辺 力・ Z. Korsós (2015) 節足動物門多足亜門ヤスデ綱 (倍脚綱). In: 青木 淳一 (編) 日本産土壌動物 第二版-分類のための図解検索. 721-723. 東海大学出版会, 秦野市. ISBN978-4-486-01945-9
 日本産ヤスデ類の属までの検索と解説があります。最初はこれで同定するといいです。


村上 好央 (1993) ヤスデ綱 (倍脚類)・ヤスデモドキ綱 (少脚類)・ムカデ綱 (唇脚類)・コムカデ綱 (結合類)). 日本産野生生物目録:本邦産野生動植物の種の現状 (無脊椎動物編 I)(環境庁自然保護局野生生物課編) pp. 95-106. 資源科学研究所, 東京. ISBN978-4915959073
 やや欠けはありますが、当時記載されている日本産ヤスデ類のほぼ全種のリストです。これを足掛かりに調べていくといいと思います。


高桑 良興 (1954) 日本産倍足類総説. 日本学術振興会.
 三大入手困難文献その1。出版年は古いものの今となっても非常に重要な文献。ヤスデの概説に加え、当時までに記載されたヤスデ類の解説と13の新種が記載されています。


三好 保徳 (1959) 日本の倍足類. 東亜蜘蛛学会.
 三大入手困難文献その2。筆者も未入手。見つけたら教えてください!
*2019/08/26追記 運よく本書を読む機会に恵まれました。日本産倍足類総説に並ぶ良書と言えます。ヤスデ類の形態の概説は日倍説、研究の歴史的背景は本書の方が詳しいです。著者の三好氏の観察に基づく考察が盛り込まれていて参考になります。日倍説の出版から5年経過していることもあり、掲載種数は増えています。


芳賀 昭治 (1968) 日本のヤスデ. 自著出版.
 三大入手困難文献その3。13種1亜種が記載されています。本書以降再記載されていない種類も多く、本書を見なければ正体がわからないものが多いです。各種解説は日本語のみ。







まとめ


 日本のヤスデ類はまだまだ研究途上で日本未記録種や未記載種もたくさんみつかります。また、ヤスデには地理的変異が多くみられますが、今まで地理的変異の研究はごくわずかで模式産地からしか見つかっていないものも少なくありません。いつの日かこのページを見た人の中から同好の士が現れることを期待します。

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