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2019年1月28日月曜日

ネンジュヤスデ属の1種 Sinostemmiulus sp.

My図鑑/ 節足動物門 Phylum Arthropoda/ 多足亜門 Subphylum Myriapoda/

2018年03月20日 鹿児島県奄美市

「日本産土壌動物」のZoltan Korsós氏撮影のネンジュヤスデ Sinostemmiulus japonicus に似ていることからネンジュヤスデ属の1種としていましたが、noriental21さんに「奈良で得たネンジュヤスデは紫色系統のヤスデで、この写真はタテウネホラヤスデの一般的な雰囲気に似ていると思います。」と指摘を受けました。標本が無く今となってはどちらなのか確認できないため、カザアナヤスデ科の1種としておこうと思います。奄美大島でよく似たヤスデを見かけたらぜひお伝えください。

*2020/02/21追記 画像を再確認し、黒色単眼が明確に見られる(タテウネホラヤスデ属 Antrokoreana では見られない)ことからネンジュヤスデ属 Sinostemmiulus の1種に戻します。
*2022/02/20追記 奄美大島各地より追加標本を得ました。やはりネンジュヤスデ属で良いようです。後生殖肢末端の形は既知2種のどちらにも一致しません。

 タテウネホラヤスデ類に似ていますが、各体節間のくびれが目立ち、頭部に左右一対の黒色単眼を持ち、前生殖肢の端肢を欠いています。記録は少ないのですが、近畿以西に広く分布するものと思います。奄美大島では沢沿いの石下から見つかりました。


引用文献

西川 喜朗・村上 好央 (1991) 日本産倍脚類の分布記録(I). 追手門学院大学文学部紀要, 25, 291-313.

5 件のコメント:

  1. ネンジュヤスデとタテウネホラヤスデを両方とも野外採集したことがあります。奈良で得たネンジュヤスデは紫色系統のヤスデで、この写真はタテウネホラヤスデの一般的な雰囲気に似ていると思います。

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  2. 日本産土壌動物のZ. Korsós氏が撮影したものによく似ていたので本種としましたが(Korsós氏の撮影地も奄美大島で、同定はネンジュヤスデ Sinostemmiulus japonicus となっています)、当時はヤスデを熱心に集めていたわけではないので、残念ながら標本も無く生殖肢の確認も出来ていません。カザアナヤスデ科に留めておこうと思います。奄美大島から正式な記録が無いことと生殖肢を確認していないことから属までにとどめていたのですが、やっぱり生殖肢を確認しないとだめですね。

    福島でガモウタテウネホラヤスデとカギタテウネホラヤスデは確認しています。どちらも模式産地のものですが、ガモウの方は採集禁止の場所なので採集できていません。カギタテウネホラヤスデの方は生殖肢を記載論文と照らし合わせて間違いなく本種であることを確認しています。どちらも画像のヤスデとは見た目が異なりました。メールかTwitterでDMを送っていただければ写真を送ることは可能です。

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  3. 丁寧なコメントをありがとうございます。私の採集したタテウネホラヤスデは横浜と東京の境に居て、国内移入と思われます。何年か通いましたが、冬の最中にしか採集できません。記載された種のうちではカザアナヤスデに近いものですが、この画像に似ております。不思議なことに採れた季節には、あぶくまと同じようにホタルヤスデも同時に採れます。ネンジュヤスデについては篠原先生にお借りした論文に、吉野川上流に産するとメモしてありました。この吉野川は四国ではなかったようで、奈良の高見峠で数回に渡り複数個体を得ました。こちらも標本が見つかれば研究なさる方に提供したいと考えています。対馬でタメトモヤスデを得た際には、田辺先生に託しました。いろいろ情報交換が必要ですね。

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  4. メールを送りました。ご確認ください。

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  5. 写真を再度確認し、色素沈着のある単眼があることからネンジュヤスデ属ではないかと思います。

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