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2019年4月15日月曜日

ヒガシオビヤスデ Epanerchodus orientalis (Attems, 1901)

My図鑑/ 節足動物門 Phylum Arthropoda/ 多足亜門 Subphylum Myriapoda/

2018年11月17日 茨城県久慈郡大子町

2018年05月26日 山梨県北都留郡

左生殖肢

生殖肢や体形に地理的変異があります。体形の地理的変異は非常に大きく、別種だと思っても本種であることがよくあります。反対に本種だと思っても別種のこともあります。しばしば体形では識別困難な別種が同所的に現れます。生殖肢の形態にも地理的変異がありますが,こちらは体形ほど劇的な変化はありません。普通ヤスデでは体よりも生殖肢に大きな変化が見られることから、不思議な種類です。雄の生殖肢(生殖のために特殊化した付属肢。詳しくはこちら)を見なければ同定できません。北海道、本州、四国に分布、九州には分布していません。

生殖肢の形態:脛跗節は程度の差はあるものの途中幅広くなり、その先急に細くなる。脛跗節の毛状突起は先端に数本がまとまり、列生しない。脛跗節の基部から伸びる副枝は先端部が内側へと弯曲する。後腿節突起の小突起はあるものとないものがある。外棘はあるものと無いものがあり、長さも一定ではない。

台湾や中国からも記録されていますが、最近の学術論文を含め、今までに図示された生殖肢を見る限りでは全くの別種です。研究者人口が少ないために査読が上手く機能していないのか、ヤスデではこのようなことが少なくありません。きちんと原記載を確認するだけでなく、近縁種と何が異なるのか、文献と標本の両面から調べ、同定することが大事です。

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