成体♂ |
♂の触肢下面には短い棘が並ぶ |
アシボソアカザトウムシとともに礫の間の空隙から出てきました。
トカラ列島~沖縄島に分布しています。
近縁種
ニホンアカザトウムシ Pseudobiantes japonicus Hirst, 1911
分布:本州南西部、四国、九州
オオアカザトウムシ Epedanellus tuberculatus Roewer, 1911
分布:近畿以西の本州、四国、九州、屋久島、種子島
フタモンアカザトウムシ Kilungius bimaculatus Roewer, 1915
分布:石垣島、西表島、与那国島、尖閣諸島、台湾
上記の3種とよく似ていますが、分布は重なっていません。
Kumekawa et al.(2014)により、フタモンアカザトウムシを除いた3種(ニホンアカ、オオアカ、シマアカ)の形態とミトコンドリアのCOI遺伝子が調べられ、ニホンアカザトウムシは4つの異所的に分布するクレードに分かれ、クレードDがオオアカザトウムシ及びシマアカザトウムシと単系統群を形成することが示されています。そのため、今後分類学的整理が行われる必要があります。
ニホンアカザトウムシ及び近縁種の比較 (Kumekawa et al.(2014)より引用)
個体群 | 眼丘の棘 | 背甲第2区の1対の棘 | 体長 | 分布 |
---|---|---|---|---|
ニホンアカザトウムシ(クレードA) | 短い | 有or無 | 小 | 四国東部 |
ニホンアカザトウムシ(クレードB) | 短い | 無 | 小 | 四国西部、近畿北部、中国地方、九州北部 |
ニホンアカザトウムシ(クレードC) | 長い | 有 | 小 | 近畿南部、中部地方 |
ニホンアカザトウムシ(クレードD) | 長い | 無 | 小 | 九州(中央~南部) |
オオアカザトウムシ | 長い | 無 | 大 | 近畿以西の本州、四国、九州、屋久島、種子島 |
シマアカザトウムシ | 長い | 無 | 小~中 | トカラ列島~沖縄島 |
参考文献
- Kumekawa, Y., Ito, K., Tsurusaki, N., Hayakawa, H., Ohga, K., Yokoyama, J., Tebayashi, S., Arakawa, R. and Fukuda, T. (2014) Phylogeography of the Laniatorid Harvestman Pseudobiantes japonicus and Its Allied Species (Arachnida: Opiliones: Laniatores: Epedanidae). Annals of the Entomological Society of America, 107(4), 756-772. online available at: https://academic.oup.com/aesa/article/107/4/756/19102
- 鶴崎 展巨・鈴木 正將 (2015) ザトウムシ目. In; 青木淳一(編) 『日本産土壌動物 第二版-分類のための図解検索』 121-145. 東海大学出版会, 秦野市. ISBN978-4-486-01945-9
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