トビムシの仲間を捕らえた♂の成体 |
♀幼体? |
サソリモドキに近縁とされる。英語ではshorttailed whipscorpionと言うようだが、この呼び名もあながち間違いではないのかもしれない。なお、サソリモドキはwhip scorpionやvinegaroonと呼ばれる。
春に八重山を訪れたときには全く見つからなかったので、季節性があるのかもしれないが、よくわからない。
夏には様々な場所の石の下で見られた。今まではてっきり♂の尾状突起が灸の形をしているものと思っていたのだが、「日本産土壌動物 分類のための図解検索【第二版】」によると、♀の方を言っているようだ。♀の尾状突起は単純な糸状なので、なんだか腑に落ちない。♂の尾状突起は種固有の形を呈し、同定形質として扱われる。
本種は琉球列島及び台湾に分布する。日本産ヤイトムシ目Schizomidaは他に別属の3種が知られており、サワダムシTrithyreus sawadaiが小笠原固有、ウデナガサワダムシT. siamensisは沖縄島,宮古島,台湾,タイに分布、ダイトウサワダムシT. daitoensisは南北大東島に固有。
本種を見つけたことで、日本産クモ綱は残りコヨリムシ目を残すのみとなった。コヨリムシ目は昔、石垣島にてツルグレン装置によって大量に土壌中を探すことで1個体得られている他、近年沖縄島から非公式な記録が某ブログに上がっているようである。発見は容易ではないとは思うが、そもそもこんなちんけな虫を探す人が稀であることに賭けたいと思う。生きているうちに国内で見つけたいものである。
参照・参考文献など
・̪下謝名松栄 (2015) 鋏角亜門クモガタ鋼ヤイトムシ目. In; 青木淳一(編) 『日本産土壌動物 第二版-分類のための図解検索』 725-728. 東海大学出版会, 秦野市. ISBN978-4-486-01945-9
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